ダイグロシア(diglossia)の意味とは?

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みなさん、ダイグロシア(英語:diglossia)という言葉を聞いたことがありますか?社会言語学などを専攻されている方は聞いたことがあるかもしれません。「まじそれってダイグロシアじゃない?」「いやぁ、ダイグロシアすぎるやろー」のように日常生活で耳にすることはないかもしれませんが(笑)、グローバル化が加速するこの世の中で、今後注目される言葉になる可能性があります。

まず、Wikipediaから語義を引用させていただくと…

ダイグロシアdiglossia)とは、ある社会において二つの言語変種もしくは言語が、互いに異なる機能を持って使い分けられている状態のこと。二言語使い分け言語変種使い分けともいう。

ダイグロシア - Wikipedia

 となっています。

ものすごく難解な定義というわけではありませんが、簡単に言うと、一つの社会や地域で2つの異なる言語が使い分けられている状態のことを指す言葉です。例としては、スイスのドイツ語圏地域が挙げられます。そこでは、主に文語として公的な文章や形式的な場面で使われる標準ドイツ語、そして主に口語として家族や友人の間で使われるスイス方言のドイツ語が話されています。この例から考えてみると、単に2つの言語が話されているだけではなく、その使い分けの基準が存在しています。

また、2つの言語変種には名前があり、上のスイスの例で言う標準ドイツ語がH変種(high variety)、スイス方言のドイツ語がL変種(low variety)と呼ばれています。他の例としては、ギリシャのカサレブサ(H)とディモティキ(L)、シンガポールの英語(H)と中国語(L)などもこの関係にあたります。

え、バイリンガルのことじゃないの??と思われる方もいるかもしれませんが、簡単に言うとダイグロシアは社会レベルバイリンガル(bilingual)は個人レベルの現象を指します。バイリンガルの細かい定義に関しては様々な意見がありますが、小さいころにアメリカに住んでいて、それからずっと日本に住んでるから日本語と英語両方話せるんだよねーって人はバイリンガルと呼べますね。個人レベルのお話です。

以上がダイグロシアについての簡単な説明ですが、もっと詳しく知りたい方のために下の動画を紹介します。日本語字幕もついていますので安心してください。

 


What is Diglossia? (Quick Video)

 

言語学(社会言語学など)を専攻する方は耳にするであろう言葉ですし、それ以外の方も、最近登場した言葉ではないのですが、海外の国の文化や地域についてより多くの情報が入ってくる現代において耳にする機会が増えていくかもしれません。